About
私たちが魅力を感じるのは、職業の現場で磨かれた衣服です。
肉屋の制服、ギャルソンのエプロン、猟師のハンティングジャケット、清掃員のシャツ、漁師の堅牢なニット——時代や地域を越えて息づく「労働着」には、用途に裏打ちされた美しさがあります。
それは現代のミリタリーウェアや防水ウェア、登山道具、救命胴衣にも通じるもの。袖を通すだけで着る人をあるカテゴリーへと導く「制服」の力です。
しかし、歴史を重ねる中で、その拘束力は薄れ、代わりに新たな価値や意味が生まれます。かつては職業に従事する者だけが供給されていた制服が、今や自らの意思で手に入れる対象となるのです。
私たちは、この「制服=労働着」の魅力を再構築します。
実在しない職業や、注目されないマニアックな職種、さらには異なるジャンルの掛け合わせによって、新たな職業像や世界観を想像し、そこから衣服を生み出す——そんな妄想的で創造的なプロセスを大切にしています。
シーズンごとに一つのテーマに縛られることなく、ひとつの大きな世界観のもと、自由に、そしてユーモアをもって「妄想の労働着」を提案していきます。